本記事は、「日系企業向けインドネシア進出コンサルティング会社」の、「税務・税制コンサルティング」に関する取り組み事例を紹介しています。
当記事を読むと、税務・税制に関してコンサルティング会社に相談・依頼すると、どのようなサービスを受けることができるのか、イメージを具体的に持つことができます。
- 税務申告
- 税務リスクの管理
- 税務コスト削減
- 税務戦略構築
- 移転価格税制の対応
- 税務調査の対応
なお、インドネシアの「税務・税制について」や「おすすめの相談先」については、下記記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
1.「税務申告のサポートおよび税務のリスク管理」をした事例
製造業のZ社がインドネシアに新規工場を設立した際、「税務申告のサポートおよび税務のリスク管理」をした事例です。
項目 | 内容 |
---|---|
クライアントの業種 | 製造業 |
主な課題 |
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支援期間 | 12か月 |
支援内容 |
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支援した結果 |
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1-1.クライアントZ社が抱えていた課題
Z社はインドネシア国内での新規工場設立に伴い、法人税や付加価値税(VAT)、従業員の所得税など、多岐にわたる税務申告業務において社内リソースの不足の解消を目指し、コンサルティング会社に支援を依頼しました。
1-2.Z社への支援内容
- 現地の税務規制に基づき、適切な税務申告体制の構築をサポート
- 各税項目について詳細な手順書を提供
- 申告スケジュールの作成
- 従業員のトレーニングを実施
税務申告は国ごとに種類や方法が異なり、特にインドネシアの税制は複雑で日本人には理解しづらいことがあります。
そのため、多くの日系企業が専門家に税務支援を依頼しているのが実情です。
税理士事務所や会計事務所に実作業をアウトソーシングする方法もありますが、税務や税制に詳しいコンサルティング会社に依頼することで、「自社で税務申告を行える体制づくり」の支援を受けることができます。
一時的な支援だけでなく、「税項目ごとの手順書の提供」や「申告スケジュールの作成」、「従業員向けのトレーニング実施」など、自社で税務対応ができる力を育てるための伴走型支援が特徴です。
1-3.支援した結果
支援の結果、安定した申告体制が整い、税務違反のリスクを回避することができました。
さらに、今までインドネシアに工場を建設した際に発生していた追加税額を削減することにも成功し、予想以上の結果となり喜んでいただけました。
社内リソースの不足は、今回支援したZ社に限らず、多くの企業が直面する課題です。
コンサルティング会社に依頼することで、安定した税務申告体制を整備し、税務違反リスクを効果的に回避することが可能となります。
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無料で相談してみる2.「国際取引の税務スキームと税務コンプライアンスを最適化」した事例
IT業を営むF社がインドネシアでの売り上げが拡大していく中で、税務コストを削減した事例です。
項目 | 内容 |
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クライアントの業種 | IT業 |
主な課題 |
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支援期間 | 6か月 |
支援内容 |
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支援した結果 |
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2-1.クライアントF社が抱えていた課題
国際取引に関する税務理解が不足していたF社は、売上が伸びているにもかかわらず、税務申告等の税務に関わるコストが想定以上に増加していることに課題を感じています。
この課題を解決するため、F社はインドネシアの税務に精通した現地のコンサルティング会社に相談することにしました。
2-2. F社への支援内容
- 二重課税防止条約に基づく最適な税務構造の設計
- 電子税に対応するための税務スキームを策定
- 税務当局への適切な説明資料を用意
- 定期的なコンプライアンスチェックを実施
国際取引の税務知識が不足していると税務申告にかかるコストが上がるばかりか、支払う税金も増えてしまう可能性があります。
想定されるリスク | 内容 |
---|---|
二重課税のリスク | 同一の所得や取引に対して日本とインドネシアで二重に課税される。 |
移転価格税制の違反 | 関連会社間の取引で適切な価格設定をしていないと、税務当局から価格の見直しを要求され、追加課税を受ける可能性がある。 |
関税や消費税の過払い | 関税や付加価値税(VAT)に関する計算ミスや申告漏れがあると、過剰な税負担を強いられる、またはペナルティを科される。 |
まずは、F社が課題に感じている税務コストを下げるために「最適な税務構造やスキーム」を整備しました。
次に税金の増加を防ぐために、税務当局への「適切な説明資料の準備」や、「定期的なコンプライアンスチェック」を行い、過剰な税負担を避ける対策を講じています。
2-3.支援した結果
また、定期的なコンプライアンスチェックを実施し、税務当局からの指摘を防ぐ適切な税務管理体制を構築しました。
インドネシアでは徴税を目的とした税務調査が行われることが多く、追徴課税によって税務コストが大幅に上昇するリスクがあります。
したがって、税務当局への的確な対応と継続的な法令遵守が重要です。
3.「現地税務戦略の構築および税制インセンティブの取得」をサポートした事例
小売業を行うR社がインドネシアで税制インセンティブを取得して税額を軽減した事例です。
項目 | 内容 |
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クライアントの業種 | 小売業 |
クライアントが 抱えていた課題 |
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支援期間 | 8か月 |
支援内容 |
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支援した結果 |
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3-1.クライアントR社が抱えていた課題
R社はインドネシアでの小売事業において、商品の輸入コスト増加に加え、高い法人税負担によって利益率が圧迫されている状況に直面しています。
この問題を解決し、利益を確保するため、R社はコンサルティング会社に税対策のサポートを依頼しました。
3-2. R社への支援内容
- 輸入関税の削減および法人税の軽減のため、適用可能な税制インセンティブを調査
- 事業拠点の場所による税率の違いを検討し、税制優遇地域への進出を支援
税務の課題解決力があるコンサルティング会社に支援を依頼することで、自社では気付かないような節税方法を調査してもらえます。
例えば、インドネシア政府は国内外の投資を促進するため、以下のような税制上の優遇措置を提供しています。
- タックスホリデー制度
- タックスアローワンス制度
- インベストメントアローワンス制度
- 特定の投資に対する機械・原材料の輸入関税免除措置
- 経済特区制度
- 自由貿易地区
また、地方税の税率は事業を行うエリアによって異なることから、税金を削減するためには、税制優遇地域へ進出することも1つの選択肢です。
3-3.支援した結果
R社は年間税額を「約20%」削減したことで、商品価格を維持することが可能となりました。
今回ご紹介した事例のように、インドネシアにおける税金を軽減するためには「税制インセンティブの活用」が有効な手段の一つです。
ただし、すべての業種に適用されるわけではなく、適用にはさまざまな条件が伴います。
そのため、適用可能な税制インセンティブの調査については、現地のコンサルティング会社に依頼することをおすすめします。
4.「インドネシア進出前に税務リスクについて調査・アドバイス」した事例
IT業界のN社が、インドネシア市場への参入を検討する中で、進出前にインドネシアの税務リスクについて調査し、アドバイスした事例です。
項目 | 内容 |
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クライアントの業種 | IT業 |
クライアントが 抱えていた課題 |
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支援期間 | 3か月 |
支援内容 |
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支援した結果 |
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4-1.クライアントN社が抱えていた課題
こうした不透明さを「リスク」として捉え、N社のようにインドネシア進出に不安を感じる企業も少なくありません。
進出前の日本企業であっても、日本から現地のコンサルティング会社に支援を依頼することができます。
4-2.N社への支援内容
- 税務リスクを軽減するための税務スキームの提案
- インドネシアでのロイヤリティに関する税制を詳しく調査
- インドネシアへの最適な進出形態と税務対応方法についてのアドバイス
インドネシアの税制は日本よりも複雑なことに加え、税務行政にも一貫性がないため、日本からその実情を把握するのは困難です。
したがって、インドネシア進出の不安を解消するには、現地の進出コンサルタントに相談することをおすすめします。
税務に詳しいコンサルティング会社なら、「リスクの少ない税務スキーム」や「必要な税制の調査」、「最適な進出方法」など、不安や課題に対して具体的な解決策を提案してもらえます。
4-3.支援した結果
インドネシア進出の検討段階や準備段階であっても、現地のコンサルティング会社に税務や税制に関する支援を依頼することが可能です。
今回ご相談いただいたN社はIT業界の企業様でしたが、税制に関する課題はどの業界にも共通して発生する問題です。
現地の税理士事務所でも税制に関する相談は受け付けていますが、総合的なコンサルティング会社であれば、進出に関する幅広い不安や課題を包括的にサポートできるため、よりおすすめです。
5.「移転価格税制に関するリスク管理」した事例
製造業を行う大手企業S社が、インドネシア進出後に、移転価格税制における税額負担リスクを軽減した事例です。
項目 | 内容 |
---|---|
クライアントの業種 | 製造業 |
クライアントが 抱えていた課題 |
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支援期間 | 3か月 |
支援内容 |
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支援した結果 |
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5-1.クライアントS社が抱えていた課題
移転価格税制とは、国境を越えた関連会社間の取引において、適正な価格の設定を求める制度です。
目的は企業が海外の関連企業との取引価格を市場価格と異なる金額に設定することで、一方の利益を他方に移転し、結果的に税負担を軽減する行為を防止することにあります。
5-2.S社への支援内容
- 価格移転ファイルの作成
- 適正な比較対象企業(ベンチマーク)の設定
- 「FARの振り分け」の理解しやすい説明
関連企業間の取引で適切な価格設定がされていないと、仮に税務調査が入った場合、税務当局が独自に比較対象を選び、その結果、高額な追徴課税を課せられるケースが多いです。
したがって、税務当局に適切な取引価格であることを説明できるよう「価格移転ファイル」作成の支援を行いました。
価格移転ファイルには、主に以下のような情報を記載します。
想定されるリスク | 内容 |
---|---|
マスターファイル | グループ全体の事業内容、組織構造、財務情報 |
ローカルファイル | 関連会社間の具体的な取引内容、価格設定の根拠、比較対象データ |
国別報告書 | 各国における収益、納税額、従業員数などの概要 |
5-3.支援した結果
あわせて「FAR(機能、資産、リスク)の分析」を行い、各取引の役割分担やリスク負担の整理したことで、仮に税務調査があったとしても税務当局との対話をスムーズに進めることが可能となります。
今回の支援を通じて、インドネシア市場での事業継続に対する税務リスクを大幅に低減することができました。
税務・税制以外のインドネシアのコンサルティング事例は下記で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
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