インドネシアワークス TOP 【簡単解説】インドネシアでの雇用代行(EOR)サービスについて|「GEO、PEOとの違い」や「EORを利用する流れ」、「メリット・デメリット」を解説

【簡単解説】インドネシアでの雇用代行(EOR)サービスについて|「GEO、PEOとの違い」や「EORを利用する流れ」、「メリット・デメリット」を解説

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本記事はインドネシア進出で「雇用代行(EOR)サービス」の利用を検討している方向けに、「雇用代行(EOR)サービス」についてできる限りわかりやすく解説しています。

なお、インドネシアに「会社設立する手順」や「駐在員事務所を設立する手順」については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

1. 雇用代行サービス(EOR)とは

雇用代行サービスとは、

外国企業が現地法人を設立せずに、国外で従業員を確保するためのサービスです。

具体的には、雇用代行サービスを提供する事業者が、進出企業に代わり現地の法律や規制に基づいて従業員と雇用契約を結び、雇用に関する「給与の支払い」や「税務処理」、「社会保険の手続き」などを行います。

進出企業は雇用契約を行わずとも、業務上の指揮や命令を行うことができるので、難易度が高い現地法人を設立することなく、迅速に海外市場で事業を展開することが可能になります

1-1.「EOR」、「GEO」、「PEO」の違い

雇用代行サービスには主に3つのサービスがあります。

雇用代行サービス3つ

  • EOR:Employer of Recordの略
  • GEO:Global Employment Outsourcingの略
  • PEO:Professional Employment Organizationの略

各雇用代行サービスの特徴は次のとおりです。

<各雇用代行サービスの比較>
EOR GEO PEO
雇用形態 第三者企業が雇用主 第三者企業が雇用主 自社と第三者企業が共同雇用
地域 一地域での雇用管理
(EOR事業者によって異なる)
複数の国での雇用管理 国内外問わない人事・労務管理
利用の目的 海外で雇用する際の法的代行 多国籍企業向けの包括的な雇用代行 人事管理業務の外部委託

ただし、「EOR」「GEO」「PEO」はサービス内容に重なる部分が多く、名称は異なっていても各事業者が提供するサービスには共通点が多いため、境界があいまいなのが実情です。

1-2.雇用代行サービス(EOR)の利用が向いている企業

下記のような企業は、「雇用代行サービスの利用」を検討するとよいでしょう。

雇用代行サービスの利用が向いている企業 例

  • 段階的にインドネシア進出をしたい企業
  • インドネシア進出したいがリソースが不足している企業
  • インドネシア進出を計画している中小企業やスタートアップ企業
  • 最小限のコストと労力でインドネシア進出を始めたい企業

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2.雇用代行(EOR)サービスを利用する流れ

雇用代行サービスを利用して事業を始める流れを、EORの場合を例にして解説します。

雇用代行サービスを利用して事業展開する流れ(EORの場合)

  1. インドネシアの雇用代行サービス事業者を選定する
  2. 雇用代行サービスの事業者と契約する
  3. 雇用代行サービスの事業者が人材採用を行い、雇用する
  4. 人材を採用されたら、業務を開始する

〈STEP1〉インドネシアの雇用代行サービス事業者を選定する

まずは、信頼できる雇用代行サービスの事業者を選定します。

例えば、以下のようなポイントを選考基準とするとよいでしょう。

雇用代行サービス事業者を選ぶポイント

  • サービス対象地域(国やエリア)
  • 費用
  • 日系企業の支援実績
  • サポート体制(多言語対応等)
  • コンプライアンス対応力

各社のサービス内容や料金、実績を比較し、自社のニーズに合った事業者を選ぶことが重要です。

ただし、インドネシアにコネクションがない場合、現地で自社に適した雇用代行サービスの事業者を見つけるのは難しいかもしれません。
その場合は専門家に相談することをおすすめします。

INDONESIA WORKSでは、「インドネシアで評判の良い」雇用代行サービス事業者を紹介していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

〈STEP2〉雇用代行サービス事業者と契約する

次に選定した雇用代行サービス事業者と契約します。

契約の際は、

  • 提供される具体的な業務内容
  • 費用体系(初期費用、月額費用など)
  • 契約期間と更新条件
  • 解約時の対応

などを明確にしておきましょう。

〈STEP3〉雇用代行サービス事業者が人材採用を行い、雇用する

契約後、雇用代行サービス事業者が現地での人材採用を担当します。
進出企業が求めるスキルや経験を持つ候補者を見つけ、面接や選考を経て適切な人材を雇用します。

なお、進出企業が直接「面接」や「選考」を行うことも可能です。
また、雇用したいローカル人材や外国人(日本人を含む)が既に決まっている場合は、その人材を雇用代行事業者に雇用させることもできます。

〈STEP4〉人材が雇用されたら、業務を開始する

人材の選定が完了し、雇用代行サービス事業者が雇用契約を結んだら、業務を開始できます。

雇用代行サービス事業者が現地での「給与支払い」、「社会保険の手続き」、「労働契約の管理」など、複雑な手続きを一括で代行するため、現地の法律や規制を遵守した運営が可能となり、進出企業は安心して事業を展開することができます。


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3.雇用代行(EOR)サービスを利用するメリット・デメリット一覧

インドネシアで雇用代行サービスを利用するメリットとデメリットを解説します。

3-1.雇用代行(EOR)サービスを利用するメリット

インドネシアで雇用代行サービスを利用するメリットは、以下のとおりです。

雇用代行サービスを利用するメリット

  • 早期の事業活動が可能
  • 低コスト・低リスクで進出できる
  • 複雑な人事労務手続きや税務申告などを代行してもらえる
  • 自社事業を任せる人材を選定できる
  • 直接雇用に切り替えることができる

〈メリット1〉 早期の事業活動が可能

インドネシアに現地法人を設立して事業を開始するまでには、早くても半年以上かかります。

一方、雇用代行サービスを利用すれば、現地法人を設立する必要がなく、必要な人材を採用してすぐに業務を開始することが可能です。
最短で1か月程度で事業を立ち上げられるため、迅速にインドネシアでの事業展開を始めたい企業におすすめです。

〈メリット2〉 低コスト・低リスクで進出できる

雇用代行サービスを利用することで、現地法人設立に伴う初期投資を大幅に削減できます。

例えば、インドネシアで現地法人を設立する場合、資本金として100億ルピア(約9,000万円)が必要ですが、雇用代行サービスを利用すれば、資本金は不要です。

さらに、撤退時にも法人清算が不要なため、万が一撤退する際のリスクも軽減されます。

〈メリット3〉 複雑な人事労務手続きや税務申告などを代行してもらえる

現地従業員の雇用主は、あくまで「雇用代行サービス事業者」となります。

したがって、現地の法律や規制に基づいて雇用契約を結び、「給与の支払い」や「税務処理」、「社会保険の手続き」などを行うのは雇用代行サービス事業者であり、委託元である進出企業がその業務を負う必要はありません。

国ごとに異なる「労働法」や企業が負担すべき「法定給与」など、複雑なバックオフィス業務をすべて代行してもらえます

〈メリット4〉 自社事業を任せる人材を選定できる

進出企業が希望する人材の要件を提示すれば、雇用代行サービス事業者がその要件に合った候補者を集め、進出企業が直接採用する人材を選定することも可能です。

また、雇用したい人材(日本人や外国人を含む)が既に決まっている場合は、その人材を雇用代行業者に雇用させることもできます。

現地に自社の責任者を配置しないため、事業責任者となるような重要な人材の選定を進出企業自身で行うことで、業務開始後に事業が円滑に進まないリスクを軽減できます。

〈メリット5〉 直接雇用に切り替えることができる

雇用代行サービスを活用すれば、試験的な事業活動から本格的な進出まで柔軟に対応可能です。

事業の初期段階では現地法人を設立せずに雇用代行サービスで人材を確保し、事業が安定したタイミングで現地法人を設立して直接雇用に移行できるため、リスクを抑えながら事業を開始できます。

また、成果を確認しながら進出規模を調整することもできるため、無理なくインドネシア市場で事業を拡大していけるでしょう。

3-2.雇用代行(EOR)サービスを利用するデメリット

インドネシアで雇用代行を利用するデメリットは以下のとおりです。

海外雇用代行を利用するデメリット

  • 雇用代行サービス事業者の利用料がかかる
  • 事業者によってサービスの質にばらつきがある
  • 従業員のロイヤリティ醸成が難しい

〈デメリット1〉雇用代行サービス事業者の利用料がかかる

雇用代行サービスには、給与管理や法的手続き代行のサービス料が上乗せされるため、自社で直接雇用する場合に比べてコストが高くなります。

現地法人を設立しないため初期投資は不要ですが、長期的に利用する場合、累積する費用が負担となる可能性があります。

〈デメリット2〉事業者によってサービスの質にばらつきがある

雇用代行サービス事業者によって提供されるサービスの質にはばらつきがあるため、信頼できる事業者を選ぶことが重要です。
サービスの質が低い事業者を選んでしまうと、採用活動やバックオフィス業務が滞り、事業運営に支障をきたす可能性があります。

また、雇用代行サービス事業者が現地の規制や契約内容を正確に遵守しているかを完全に把握することは難しいです。
そのため、企業が知らないうちに複雑な税制や労働法に関するリスクを負う可能性がある点には注意が必要です。

〈デメリット3〉従業員のロイヤリティ醸成が難しい

雇用代行サービスを利用する場合、従業員の法的な雇用主はサービス事業者となるため、進出企業との直接的な契約関係はありません。
この間接的な雇用関係が、従業員の会社への帰属意識を薄れさせる要因となることがあります。

さらに、給与の支払い遅延や福利厚生に関するトラブルなど従業員が雇用代行サービス事業者に不満を抱いた場合、進出企業に対する信頼が損なわれる可能性もあります。
信頼が損なわれると、従業員のモチベーションを低下させ、最終的に生産性や業務効率に悪影響を及ぼすリスクを生じさせます。

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