本記事は、「日系企業向けインドネシア進出コンサルティング会社」の、「法律・法的規制コンサルティング」に関する取り組み事例を紹介しています。
当記事を読むと、法律・法的規制に関してコンサルティング会社に相談・依頼すると、どのようなサービスを受けることができるのか、イメージを具体的に持つことができます。
以下、こんな事例が掲載しています!
- ビジネスライセンス・法規制の確認
- 刑事・民事裁判の対応
- 和解協議の交渉
- 輸入規制品の輸入申請
- 就労ビザの取得
- 会社設立の手続き 等
なお、インドネシアの「法律・法規制について」や「おすすめの相談先」については、下記記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
1.「裁判を通じて債権回収をサポート」した事例
産業資材を供給する製造業のB社がインドネシア現地企業への債権回収を行い、最終的に法的措置を通じて回収を成功させた事例です。
項目 | 内容 |
---|---|
クライアントの業種 | 製造業 |
主な課題 |
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支援期間 | 4か月 |
支援内容 |
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支援した結果 |
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1-1.クライアントB社が抱えていた課題
支払い期限を超過する債権回収において、自社からの催促が実らず、法的措置の検討が必要になった
B社はインドネシア国内の製造業に産業資材を供給するサプライヤーとして活動していました。
しかし、ある取引先からの支払いが期限を過ぎても行われず、繰り返し催促を行ったものの、状況は進展しませんでした。
インドネシア特有の交渉プロセスや法的手続きへの知見が不足していたため、コンサルティング会社にサポートを依頼し、最終的に法的措置を通じた回収を目指すこととなりました。
1-2.B社への支援内容
- 債務者の資産調査および過去の係争事案の調査
- 法的措置の選定とその準備・実施
- 提訴後の交渉支援および債権回収案の構築
インドネシアでは債務者との交渉が通常のプロセスでは難航する場合が多く、提訴後の裁判中に和解協議を進める手段が効果的とされています。
本事例では、コンサルティング会社が資産調査や過去の係争事案の経歴を詳細に分析し、債務者の状況に応じた法的措置を選定しました。
その結果、裁判中に債務者が交渉のテーブルに着き、債権回収案を作成する流れを支援しました。
1-3.支援した結果
B社が提訴後、債務者との交渉を経て6億円相当の債権の回収に成功しました。
コンサルティング会社の支援を受け、B社はインドネシアの債務支払い義務猶予(PKPU)を活用しました。
この制度は日本の会社更生法に似た仕組みで、債務を再編しながら事業継続を模索し、破産を回避して債権者と和解を目指すものです。
提訴後、B社はコンサルティング会社のサポートを受けて債務者と交渉して、裁判中の和解協議を通じて債権回収案の合意に至りました。
さらに、債務者との合意内容が円滑に履行されるよう、B社は引き続きコンサルティング会社のサポートを受けて、6億円相当の債権回収に成功しています。
2.「社員の横領に対して解雇・返済計画の交渉、再発防止策の策定」を支援した事例
旅行会社C社が社内で発覚した背任・横領事件に対応するため、社員の解雇交渉や返済計画の調整を行い、再発防止策を策定した事例です。
項目 | 内容 |
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クライアントの業種 | サービス業 |
主な課題 |
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支援期間 | 12か月 |
支援内容 |
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支援した結果 |
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2-1.クライアントC社が抱えていた課題
社内で発生した背任・横領事件への対応が遅れ、返済計画の交渉や社員の処分が難航している。
旅行会社C社では、特定の社員による背任・横領が発覚しました。
C社は横領額の回収を進めると同時に、社員の解雇や退職手続きを適切に進めようとしましたが、就業規則や社内規定が不十分であるため、社員の責任追及や解雇を自社だけで進めることに限界を感じました。
そこで、コンサルティング会社に相談することを決断しました。
2-2. C社への支援内容
- 横領額の回収に向けた社員との交渉を実施
- 返済計画を調整し、その履行を支援
- 社内規定の整備による再発防止策の構築
- 法的措置の選択肢を提示し、必要な場合に刑事手続きをサポート
インドネシアでの刑事事件の処理には、多大な労力や費用がかかります。
加えて、刑事裁判の判決が確定するまでに長い時間(最大4審)を要するため、迅速な解決が難しいのが現状です。
そのため、横領などの社内犯罪を防ぐには、就業規則や社内規定を整備しておくことが非常に重要です。
規則や規定が整備されていない場合、不正を行った社員の解雇さえ難しくなる可能性があります。
C社のケースでは、コンサルティング会社が横領した社員との交渉を進めて返済計画の調整を行いました。
さらに、交渉の進捗に応じて刑事手続きを検討し、必要に応じて法的措置を講じるためのサポートも実施しています。
2-3.支援した結果
社員との交渉を経て横領額の返済計画を調整し、さらに再発防止のための社内規定整備を完了させました。
本事例では、社員との解雇および退職交渉を経て返済計画を立案し、その履行をサポートしています。
また、被害額の回収のほかに、以下のような横領や背任行為が再発しない体制づくりにも寄与しました。
- 就業規則や社内規定を整備
- 社内ではコンプライアンス教育を実施
残念ながら、インドネシアではコンプライアンス意識がまだ十分に浸透しておらず、日本と比べて「横領」や「不正」などの問題が発生しやすいのが現状です。
インドネシアでビジネスを展開する際には社内にも目を配り、「就業規則や社内規定の整備」や「コンプライアンス教育の実施」が不可欠といえるでしょう。
3.「輸入規制の対象となっている原材料を輸入できるよう」支援した事例
製造業を営むN社がインドネシアでの原材料の輸入規制をコンサルティング会社の支援によって、関連省庁への申請を成功させて輸入できた事例です。
項目 | 内容 |
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クライアントの業種 | 製造業 |
クライアントが 抱えていた課題 |
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支援期間 | 2か月 |
支援内容 |
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支援した結果 |
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3-1.クライアントN社が抱えていた課題
製造に必要な原材料の一部が、インドネシアでは輸入規制の対象となっており、関連省庁から許認可を得るためには煩雑な手続きが必要になる。
N社は製造業を営んでおり、商品の製造に必要な原材料をインドネシア国外から輸入する必要がありました。
しかし、原材料の一部が輸入規制の対象となっており、関連省庁の許認可を取得しなければ輸入できないことが判明しました。
許認可を得るためには、輸入の理由や量について詳細な説明をするなど煩雑な手続きが必要になります。
さらに国内生産品保護を理由に申請手続きが長期間に及ぶことが多く、これらがN社にとって大きな負担となってしまうため、コンサルティング会社に相談することにしました。
3-2. N社への支援内容
- 申請書類のレビューおよび修正、補足
- 関連行政への説明代行
- 承認されるのに必要な条件の取得と整理
インドネシアでは輸入手続きが複雑で、「肉を含む食品」の輸入には農業省から、「産業資源」の輸入には産業省から推薦状を取得する必要があります。
加えて推薦状を取得した後には、商業省への輸入枠の申請も必要になります。
上記手続きには、詳細な書類作成や対面での説明が求められるので時間と労力がかかり、企業の負担となるケースが多いです。
コンサルティング会社は、申請が承認されるための条件を整理しながらN社の申請書類をレビューし、必要に応じて修正や補足を行いました。
また、関連省庁への説明や担当者との面談を代行し、スムーズかつ正確な情報伝達を行うことで、N社の負担を軽減しながら、申請が承認されるための支援を行いました。
3-3.支援した結果
N社が必要とする原材料の輸入規制に対応するための推薦状および商業省の輸入枠申請が承認され、必要な資材を輸入することが可能になった。
インドネシアを含む東南アジアでは資料ベースの申請だけでなく、対面での説明が重視される傾向があります。
そのため、行政担当者への直接的な説明が重要なポイントとなります。
さらに、担当者との面談を行っても、省庁内の決裁者に正確な情報が伝わらないことが多く、根気強く分かりやすい説明が求められます。
コンサルティング会社は行政機関を積極的に訪問し、簡潔で分かりやすいプレゼンを通じて必要な情報を正確に伝えました。
その結果、N社は関連省庁および商業省からの承認をスムーズに得ることができ、輸入規制対象の原材料を無事に輸入することが実現しました。
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4.「年齢が原因で難航していた就労ビザ取得」を支援した事例
インドネシアで日本人スタッフの就労ビザ申請が難航する中、コンサルティング会社の支援によって詳細な経歴説明と必要性の訴求を行い、取得に成功した事例です。
項目 | 内容 |
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クライアントの業種 | 製造業 |
クライアントが 抱えていた課題 |
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支援期間 | 1か月 |
支援内容 |
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支援した結果 |
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4-1.クライアントY社が抱えていた課題
日本からの必要な人材の就労ビザ申請がなかなか承認されず、取得が難航している。
製造業のY社はインドネシアでの業務遂行に必要な40代後半の日本人スタッフを日本本社から派遣するため、就労ビザを申請しました。
しかし、インドネシアでは外国人就労に対して高い基準が設けられており、現場経験豊富な技術者であってもビザ取得が難航したため、コンサルティング会社に相談しました。
4-2.N社への支援内容
- ビザ申請書類の作成およびレビュー
- インドネシアのイミグレーションへの申請代行
- 行政に対する経歴の詳細説明と必要性の訴求支援
インドネシアでは外国人が就労ビザを取得するために高い基準が設けられており、「高学歴」かつ「生産年齢の適齢期」であることが重視される傾向にあります。
例えば2023年時点でのインドネシアの平均年齢は約30歳である一方で、日本の平均年齢は約47歳であり、平均年齢の違いが「生産年齢の適齢期に対してのギャップ」を生むので就労ビザ取得の難易度を高めています。
したがって、40代から50代の職人技を持つ外国人がインドネシアにて就労するハードルは高いのが現状です。
コンサルティング会社は、Y社の技術者が持つ現場経験の重要性を強調する申請書類を作成しました。
また、イミグレーションへの申請代行を行い、対面での説明を通じて、行政機関にその必要性を理解してもらうためサポートしました。
4-3.支援した結果
Y社の技術者が就労ビザを取得し、インドネシアでの業務遂行が可能になった。
日本では海外でのキャリアやノウハウを持つ人材の中に、「適齢期を過ぎた方」や、製造系技術者のように「学歴よりも現場で培った経験や知識を持つ方」が多く存在します。
しかし、上記のような人材がインドネシアで就労ビザを取得するには、難易度が高いのが現状です。
行政への申請だけでなく、経歴や必要性を詳しく説明し、行政機関の理解を得る必要があります。
Y社のケースでは、コンサルティング会社の支援を受け、行政機関に対して技術者の経歴や採用の必要性をわかりやすく訴求した結果、無事に就労ビザを取得することができました。
特に40代以上の技術者の場合はビザ取得がさらに難しくなる可能性があるため、コンサルティング会社などの専門家に相談することをおすすめします。
5.「インドネシア進出に伴う会社設立や事業運営」を支援した事例
インドネシア進出を決定したG社が、進出に必要な知見が不足していたため、コンサルティング会社の支援を受けて円滑な法人設立と事業運営の基盤を構築した事例です。
項目 | 内容 |
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クライアントの業種 | 卸売業 |
クライアントが 抱えていた課題 |
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支援期間 | 3か月〜6か月 |
支援内容 |
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支援した結果 |
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5-1.クライアントG社が抱えていた課題
インドネシア進出を決め現地法人を設立したいが、進出に関する基本的な知見がなく、何から手を付けてようかわからない。
G社は日本国外での売上拡大を目指し、東南アジア最大の市場規模を持つインドネシアへの進出を決定しました。
しかし、会社設立の手順や進出に必要な法律の理解などの基本的な知見が不足しており、自社のみでインドネシア進出を諦め、進出パートナーとなるコンサルティング会社に依頼することにしました。
5-2.G社への支援内容
- 法人設立に必要な基礎知識の説明、事業案に関する議論
- 必要な事業コードの調査と提案
- 設立に必要な情報や書類の案内と精査
- 法人登記処理
インドネシアでの会社設立に関する煩雑な手続きを専門家の手を借りずに行うのは困難です。
特に「事業コード」の取得が重要かつ複雑で、具体的な事業内容に応じた正確なコードを選ぶ必要があります。
例えば、レストランを開業する場合、レストランの事業コードを取得してもアルコール提供は認められず、追加で別の事業コードを取得しなければなりません。
上記のように事業内容に合わせた適切な事業コードを取得するために、専門家による事前調査が不可欠です。
したがって、多くの日本企業がインドネシアで会社設立をする際、コンサルティング会社等の専門家に手続きを依頼しており、G社のケースも珍しいものではありません。
コンサルティング会社が事業内容や目標を丁寧にヒアリングし、G社にインドネシア市場の特性や法規制を説明しました。
その上で、適切な事業コードの選定や必要書類の準備をサポートしています。
5-3.支援した結果
スムーズに現地法人を設立できたうえ、事業運営の基盤を迅速に構築できた。
G社はコンサルティング会社の支援を受け、インドネシアでの法人設立をスムーズに完了しました。
さらに法人設立にとどまらず、雇用契約書のレビューや就業規則の策定など事業開始に必要な細部にわたるサポートも受けました。
インドネシアへの進出を検討する際には、会社設立など一部の手続きだけでなく、ビジネス全般を支援してくれるコンサルティング会社を選ぶことで、「事業展開の円滑化」と「トラブルの予防」が期待できます。
実際、G社はビジネスのスタートに向けて万全の準備を整えたほか、今後の事業展開におけるさまざまな課題についても相談可能な信頼できるビジネスパートナーとして、コンサルティング会社との関係を築いています。
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