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インドネシア進出の流れ・手順とやるべき事を段階別に解説|インドネシアでのビジネスの始め方

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インドネシア進出の流れ・手順とやるべき事を段階別に解説|インドネシアでのビジネスの始め方

本記事ではインドネシアでのビジネスの始め方について、特に進出の流れや手順にフォーカスし、「検討期(FS期)」から「進出前」「進出後」と3つの段階に分けて解説します。

1.「検討期」の流れ・手順とやるべき事

インドネシアへのビジネス進出を検討する場合は、まずFSを行い、ビジネスプランを調査・分析します。
FS(フィージビリティ・スタディ)とは、新規事業やプロジェクトの実行可能性、採算性、およびリスクなどを様々な角度から調査・分析することを指します。

インドネシア進出における「検討期(FS期)」の流れ・手順とやるべき事を大まかにまとめると、下記のとおりです。

〈進出「検討期」の流れ・手順、やるべきこと〉

  1. 文献調査(FS)を行う
  2. 進出プランの調査・分析(FS)を行う
  3. アライアンス候補先の調査・分析(FS)をする
  4. インドネシアでの現地調査(FS)を行う
  5. 社内決裁取得のための事業計画を作成する

それぞれについて解説します。

1-1.文献調査(FS)を行う

進出検討期でまず最初に行うべきは、文献を通じたFSです。

WEBで検索すれば「外務省」「JETRO」といった公的機関をはじめ、当サイト・「Digima」といった企業運営のコンテンツを見つける事ができ、そこから情報を一定レベル引き出すことが可能です。
他にも、書籍も探せば一定数ありますので、購読するのもお勧めです。

現地の宗教・習慣から、お金絡みの事や法律、進出のメリット・リスクが自分なりにイメージできるところまで情報収集できると、その後の具体的な進出計画の策定がスムーズになるはずです。

文献調査の際は以下のポイントを意識してみてください。

〈文献調査のポイント〉

  • 習慣や宗教についての基礎的な理解
  • お金絡みの事や法律に関する事(人件費や法律、行政手続きの難易度 等)
  • メリットやリスクについてのイメージ

海外進出の際は、その国特有の考え方や文化を理解することが大切です。
文献調査から一歩踏み込んで、具体的なルールやふるまい方を紹介します。

1-1-1.インドネシアの宗教と慣習について

インドネシア国民は、公的に認められた6つの宗教(イスラム教・カトリック・プロテスタント・ヒンズー教・仏教・儒教)のうち、いずれかを信仰しなければなりません。
「信じる宗教を持っている」事が当たり前の国ですので、宗教への敬意の払い方には注意が必要です。

6つのうち最も信者が多いのはイスラム教で、信仰割合は国民全体のおよそ8割を超えます。
そのためインドネシア進出の際は、イスラム教の基礎知識を持っておくと安心です。

〈イスラム教の慣習 一例〉

  • 豚肉や宗教上の適切に処理されていない肉、およびアルコールの摂取などが禁じられている。
  • 日の出前と昼、午後、日没時、夜と1日に5回、メッカの方角を向いて礼拝を行う必要があり、仕事中にも行う。
  • イスラム暦の断食月は、日の出から日没まで飲食を一切摂らない。 等

1-1-2.商習慣やビジネスルールについて

インドネシアの商習慣やビジネスルールは、日本と異なる点が複数あります。
主な習慣・ルールの例は以下のとおりです。

<商習慣やビジネスルール 例>
商習慣やビジネスルール 内容
ビジネス時の服装は
オフィスカジュアル
  • 男性は薄手のシャツにスラックスや伝統的衣装のバティックを着用、女性はブラウスにひざ丈以上のスカートなどオフィスカジュアルが無難
左手で握手や物を渡す行為はNG
  • イスラム教では「左手は不浄の手」とされているため、左利きの人も他人と接触する際は右手を用いる。
  • 握手をする際には、強く握ると攻撃的と捉えられがちなので、適度な力加減で握手をする。
対人関係の重視
  • ビジネスにおいても友人関係を築くことが重要。
  • 公私にわたり親密な関係を構築することが一般的。
メンツや年上を立てる
  • 相手を尊重する姿勢を忘れずに行動することが重要。
  • 特に中華系の人々とのコミュニケーションでは、メンツを大切にしたり、年長者を立てたりする文化がある。
時間に対する柔軟性
  • インドネシア人の時間感覚は日本よりも柔軟で、遅れることが一般的。
渋滞への対応
  • ジャカルタは慢性的に渋滞している。
  • 移動する際は渋滞する前提で考える。

インドネシアでの商習慣やビジネスルールは、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

1-2.進出プランの調査・分析(FS)を行う

文献調査を済ませたら、もう一歩踏み込んで進出プランを調査・分析(FS)します。

踏み込むとなると、実際の成功・失敗事例や売上・利益等の実データ等、文献調査等では拾えない情報が必要になるため、専門家や経験者に相談してヒアリングする必要があります。
なので、この段階から弊社のような「進出コンサルティング会社」に依頼すると精度もスピードもアップします。

進出プランの調査・分析では、主に以下のようなことを行います。

<進出プランで主に調査・分析すること 例>
市場分析 内容
市場分析 製品の市場規模はもちろんのこと、国が発表している統計データ等を用いて景気動向や政治状況などを併せて調査する。
消費者分析 市場分析で定めた国や地域において、自社製品やサービスのニーズがあるかを分析する。
競合分析 競合他社をリストアップし、製品の価格や生産体制、サービス内容などから各社の強み・弱みを調査する。
法規制分析 国ごとに規制対象は異なるため、今一度自社製品やサービスに規制があるかどうかを確認する。
運用・生産体制の分析 生産体制構築のための原材料や部品の調達、各種インフラ環境を調査し、実現の可能性を分析する。
採算性や資金計画の分析 財政的な実行可能性と採算性を分析する。

1-3.アライアンス候補先の調査・分析(FS)をする

海外進出は、アライアンス(提携先)選びが重要な戦略になるといっても過言ではありません。
インドネシアビジネスで成功を収めるためにも、慎重にアライアンス先のFSを行うことが重要です。

アライアンス選びは、以下のポイントを重視して検討しましょう。

〈アライアンス選びのポイント〉

  • お金や情報のやり取りをする相手として相応しいか、信頼できるか
  • 円滑なコミュニケーションを図れるか
  • 国際業務に慣れているか

特に人間同士、会社同士、相互の信頼関係をビジネスの基盤として重要視する風土なので、一定期間かけて長い目で相手を「信頼できるか」見極める事が大切です。
検討期段階では期間的に判断する時間もない場合も多いので、このアライアンス先の開拓から経験豊富なコンサルタントの手を借りるのも一つの方法です。

1-4.インドネシアで現地調査(FS)を行う

国内である程度調査や分析を終えたら、現地での調査(FS)を行います。
現地の情報は、インターネットやテレビ・書籍などから得られますが、実際に行って直接見てみないと分からないことが山ほどあるためです。

現地調査の際に行うべき事の例は以下の通りです。

〈現地調査の際に行うべき事 例〉

  • 消費者の文化や嗜好、消費傾向の把握
  • 生活環境の把握(赴任時の住居等の目星)
  • 現場の実態の把握(生産現場、消費の現場 等)
  • 現地に居住する弁護士、会計士、税理士等との面談・ヒアリング
  • 想定する提携先・取引先との会食(信頼関係の醸成)

上記のように、現地のリアルを感じないと理解が深まり切らない事を、積極的に行っていきましょう!

1-5.社内決裁取得のための事業計画を作成する

すべての調査を終えたら調査分析した内容を評価して、事業計画の作成に移ります。

例えば以下のような内容を事業計画書に記載します。

〈事業計画に記載する項目 例〉

  • 新規事業の目的
  • 事業内容
  • インドネシアに進出を決めた理由
  • インドネシアの概要
  • 進出地域の市場分析と消費者分析の結果
  • 競合他社の情報
  • 予算と収益見込み
  • 目標達成までのロードマップ
  • 考えられるリスクと回避方法

事業計画は、適切かつ整合性のとれた情報のもと、客観的な視点で作成することが大切です。
あいまいな情報は徹底的に調べ、決裁者に納得してもらえるような計画を練りましょう。

下記記事でインドネシアの市場調査・実行可能性調査(F/S)の方法やおすすめのコンサルティング会社を紹介しています。あわせてご確認ください。


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2. 「進出前」の流れ・手順とやるべき事

インドネシア進出における「進出前」段階の流れ・手順とやるべき事を大まかにまとめると、下記のとおりです。

〈「進出前」段階の流れ・手順、やるべきこと〉

  • 関税・通関手続きについて検討する
  • 法律・規制について検討する
  • 就労ビザを取得する
  • 会社を設立する

それぞれについて解説します。

2-1.自社の事業に関連しそうな「関税・通関手続き」について検討する

インドネシアの関税制度は財務省(Kementerian Keuangan)が管轄しており、関税総局(Direktorat Jenderal Bea dan Cukai)が担当しています。

2-1-1.関税の概要

インドネシアの関税率は、主に以下の5種類のいずれか

  • 一般税率(輸入関税・輸出関税)
  • ASEAN共通効果特恵関税(CEPT)の税率
  • 自由貿易協定(FTA)の適用税率
  • 一般特恵関税制度(GSP)の税率
  • 世界的貿易特恵関税制度(GSTP)の税率

に分類され、輸出入される品目や相手国、協定に応じて税率が異なります

輸入関税の基本税率は以下のとおりです。

<インドネシアにおける輸入関税の基本税率>
種類 税率
最必需品 0~10%
必需品 10~40%
一般品 50~70%
贅沢品 最大200%

インドネシアでは国内産業を保護するために、輸入品に対して高い税率を適用する傾向があります。

また、商品にどの関税が適応されるかは非常にあいまいで、当局との交渉が必要になります。
これは経験のある税理士の手助けが不可欠になるでしょう。

2-1-2.通関手続きの流れ

インドネシアの輸出入、通関手続きは、主に以下の流れで進みます。

〈通関手続きの流れ〉

  1. 輸出(輸入)関税の納付
  2. 輸出(輸入)申告
  3. 書類審査
  4. 現物検査
  5. 船積み(輸出時)もしくは搬出許可(輸入時)

輸入通関のリードタイムや輸入禁止品目の規制が厳格なため、円滑に行うためにはインドネシアの法令や規制に精通した専門家のサポートが不可欠です

インドネシアの関税・通関については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

  

2-2.自社の事業に関連しそうな「法律・規制」について検討する

インドネシアの法体系は、オランダの植民地時代や国内の民族、文化、宗教など様々な影響を受けているため、多元的で独自の特性を持っています。
加えて、規制構造が複雑であり、施行された法律も頻繁に変更されることが多いです。
また、施行された法律が開示されず誰も内容を把握できないまま執行される等、日本では想像のつかない事態も発生します。

そのため、すべての法律を網羅することは難しいかもしれませんが、インドネシアでビジネスを始めるなら以下の3つの法律は把握しておくべきです

<把握しておくべきインドネシアの3つの法律>
種類 税率
雇用創出オムニバス法 外国企業がインドネシアで事業を展開しやすくなるため、許認可手続きの簡素化の規制緩和が定められた法律です。
言語法 インドネシアでは契約書などの公式文書はインドネシア語で作成することが義務付けられています。
労働法 労働者保護の傾向が強く、解雇や労働条件に関して厳格な規定があります。

上記はいずれもインドネシアで事業展開する際に関わり合いが深い法律です。事前にそれぞれの内容をよく調べておくとことをおすすめします。
ここも完成・通関と並んで、専門家のサポートがなければ理解・運用が難しい領域です。

インドネシアの法律・規制については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

2-3.就労ビザを取得する

日本人だけでなく外国人がインドネシアで実務を伴う仕事をする際は、就労ビザが必要です。
また、一定期間滞在するなら一時滞在許可証(ITAS)の取得も要します。

就労ビザ取得の流れは以下のとおりです。

〈就労ビザ取得の流れ〉

  1. 労働移住省に外国人従業員雇用計画書(RPTKA)を提出
  2. 労働移住省に通知書(NOTIFIKASI)を提出
  3. 外国人労働者雇用補償金基金(DKP-TKA)の支払い
  4. 通知書(NOTIFIKASI)の取得
  5. 就労ビザ(VITASインデックスC312)の取得
  6. 暫定居住許可証(ITAS)の取得

就労ビザの取得には「大学卒業以上の学歴」や「就労経験5年以上」、「60歳未満(新規取得の場合)」などの一定条件があります。
ただし、条件はあいまいですべて満たしていなければ就労ビザの発給ができないわけではありません
個別の事情により対応も変わるため、目安として参考にする程度で良いでしょう。

なお、インドネシアへの30日以内の短期滞在であれば、E-Visa専用のオンラインサイトで事前に申請を行えば、主要な空港や港で入国時に到着ビザ(VoA: Visa on Arrival)を取得できます。

2-4.会社を設立する

インドネシアで会社を設立する際の概要や手順を解説します。

2-4-1.会社設立の概要

インドネシアでは、株主がインドネシア人・インドネシア法人で100%構成されるか、1株でも外国人・外国法人が保有するかで会社の種類が変わります。

設立する会社が前者ならPMDN(内資法人)、後者ならPMA(外資法人)となり、まずどちらを設立するか決めなければなりません。
インドネシアの会社法では、名義貸し(インドネシア人を名義上の株主にすること)での法人登記が禁止されています。
そのため、日本人・日系企業がインドネシアで会社設立するならPMA(外資法人)が一般的です。

そのほかの細かい概要は以下の表にまとめましたので、ご確認ください。

<インドネシアで会社設立する際の概要>
項目 内容
会社名 原則、インドネシア語3単語で決める
会社住所 バーチャルオフィスやシェアオフィスも可
株主・資本比率の決定 最低2人の株主が必要で、内訳は法人・個人どちらでも可能(一方が99%、もう一方が1%の比率でも可)
外国企業が開設可能な事業形態 駐在員事務所・現地法人・支店
PTとPE PT:「Perseroan Terbatas」の略で、株式会社の意。
PE:「Permanent Establishment」の略で、恒久的施設(事業を行う一定の場所)を指す。支店や事業所、工場等がPEに含まれる。
取締役と監査役の任命 最低1人の取締役が必要で、日本人でも可
資本金 最低払込資本金は100億ルピア(日本円で約9,600万円)
資本金の払込 資本金の振込先は法人口座、振込み元は株主の銀行口座から行うことが望ましい

2-4-2.会社設立の手順

会社設立は、主に以下の手順で進めます。

〈会社設立の手順〉

  1. 展開予定の事業内容から取得すべき事業コード(KBLIコード)とそれに基づく規制の調査
  2. 法人登記に必要な登録内容の決定(※オフィスの賃貸契約を行い、法人住所の確定を含む)
  3. 会社名の確認
  4. 原始定款の作成
  5. 株主・取締役によるサイン
  6. 法務人権省で会社設立登記
  7. 納税番号(NPWP)の取得
  8. 銀行口座開設
  9. 資本金の振込

また、取得する事業コードによっては、関連省庁から承認や認証の取得が必要です。

インドネシアでの会社設立手順や会社設立を得意とするコンサルティング会社については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


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3. 「進出後」によく直面する課題

インドネシア進出における「進出後」段階でよく直面する課題は主に以下の4つです。

〈「進出後」段階に直面する課題〉

  • 現地人材の採用
  • 人事労務管理
  • 会計処理
  • 法務管理

それぞれ課題や対応方法について解説します。

3-1.現地人材の採用

インドネシアでは大学卒業者が全体的に少なく、一般的に幹部候補と考えられる大学卒業者はわずか9.8%に留まっています。
ローカル企業や財閥系企業はもちろん、欧米系企業の存在感が増しているなかで、日系ブランドだけでは優秀な人材を引きつけるのは難しい現状です。

また、インドネシアの多くの人々は欧米式のキャリア志向を持ち、転職に対する抵抗が少ない傾向にあり、加えて最低賃金や平均賃金の上昇は転職願望をさらに後押ししています。
そのため、せっかく採用した人材が短期間で転職してしまい、企業に定着しないという課題に直面している日系企業も多いです。

インドネシアで優秀な人材を定着させるためには、継続的な育成プログラムや管理職への登用計画などを通じて、維持確保していくことが重要です。

参考:国土交通省|海外建設・不動産市場データベース(インドネシア)

3-2.人事労務管理

インドネシアでは外国人労働者は人事業務を取り扱ってはならず、人事に関わるほとんどの業務に直接的に関わることはできません。

そのためインドネシアにおける人事労務管理は、間接的な接触によりコントロールすることになります。
具体的には、現地の管理職に就いている人を含めひとつのチームとして機能させる方法で、現地人材を含めチーム化し機能させることで、直接的な関与を避けられます。

また、インドネシアの労働者は法律で手厚く守られていることも覚えておかなければなりません。労働者に関する決まりや保障はいくつもありますが、中でも退職金制度は有名です。
インドネシアでは勤続年数が1年未満であって退職金が保障されています。

人事労務管理の日本との違いやトラブル事例については下記記事で詳しく紹介しています。あわせてご確認ください。

3-3.経理や会計処理

インドネシアでは、かつて外国人労働者による経理や会計業務の取り扱いに制限がありましたが、2012年2月29日付の『外国人労働者が就労することを禁止する職務についての労働移住大臣令第40号2012年』によって規制が緩和されました。
現在では、日本人でも経理部長として直接業務に携わることが許可されています

また、インドネシア人を経理部門のスタッフとして採用する際は注意が必要です。
経理や会計関連の学校はあるものの、簿記のような具体的な検定が存在しないため、スキルレベルを判断するのが難しいです。
また、不正や汚職のリスクもあるため、業務の監視は欠かせません。

インドネシアでは多くの企業が経理業務は自社で行いつつ、税金に関しては専門の税務コンサルタントに委託しているケースが多いです。
税務に関することは、専門家に相談するのが望ましいでしょう。

参考:JETRO|ビジネス法規ガイドブック(インドネシア)

3-4.法務管理

インドネシアの法制度はまだ発展途上にあり、先進国のように予測可能な法制度が完全には確立されていません。
加えて、汚職問題が依然存在しており法的安定性が十分に確保されているとはいえない状態で、問題やトラブルが発生した際に、警察や司法機関を通じて適切な解決が難しいこともあります。

法的な安定性が不十分で、何が適法で何が違法かを事前に把握するのが困難ですので、問題やトラブルの性質によっては、駐在員の身柄が拘束されたり、裏取引的な金銭要求されたりするリスクも存在します。

上記のような問題は予期せず突然発生することが多く、インドネシアでビジネスを展開する際には、予防法務の実践が求められます。

日々の業務で感じる疑問点や違和感を見過ごさず、問題やトラブルの早期発見と対処が可能な体制を整えることが重要です。


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4.インドネシアへの進出前や進出後に支援を受けられる省官庁・公的機関・団体等について

最後にインドネシアビジネスを展開する際に支援を受けられる省官庁・公的機関・団体等を以下3つに分類し、それぞれ解説します。

  • 外務省、JETRO、日本財団 等
  • 邦銀支店や士業事務所
  • コンサルティング会社

事業展開にあたり情報取得等で困ったとき、頼りになるのが省官庁や公的機関・団体や日本企業支援に強い民間企業などです。
それぞれのサポート内容等を把握しておくことで、問題を早期解決しやすくなります。

4-1.外務省、JETRO、日本財団 等

インドネシアビジネスを展開する際に支援を受けられる省官庁や公的機関・団体として、以下が挙げられます。

<日本の省官庁・公的機関・団体 一覧>
名称 URL 住所
外務省 https://www.anzen.mofa.go.jp/ 東京都千代田区霞が関2-2-1
在インドネシア大使館 https://www.id.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html Jl. M.H. Thamrin 24,Jakarta Pusat
在スラバヤ総領事館 https://www.surabaya.id.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html Jl. Sumatera 93, Surabaya 60281
在マカッサル領事事務所 https://www.surabaya.id.emb-japan.go.jp/itpr_ja/makassar.html Jl. Dr. Sam Ratulangi No. 8-10, Makassar, 90125
在デンパサール総領事館 https://www.denpasar.id.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html Jl. Raya Puputan No.170, Renon, Denpasar, Bali
在メダン総領事館 https://www.medan.id.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html Jl.P.Diponegoro,No.18,Medan North Sumatra
国際交流基金(JF) https://www.jpf.go.jp/ Summitmas Ⅱ Lt. 1-2, Jl. Jenderal Sudirman, Kav. 61-62 Jakarta 12190
日本貿易振興機構(ジェトロ) https://www.jetro.go.jp/ Summitmas 1, Lantai 6,Jl.Jend Sudirman Kav 61-62 Jakarta 12190
国際機関日本アセアンセンター https://www.asean.or.jp/ja/ 東京都港区新橋6-17-19 新御成門ビル1階
一般財団法人日本インドネシア協会 https://www.japinda.or.jp/ 東京都中央区入船3-7-2 KDX銀座イーストビル902号室
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 https://jgoodtech.smrj.go.jp/pub/ja/ 東京都港区虎ノ門3-5-1 虎ノ門37森ビル
日本商工会議所 https://www.jcci.or.jp/ 東京都千代田区丸の内3-2-2 丸の内二重橋ビル
ジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC) https://jjc.or.id/ Wisma KEIAI 16th Floor,JL. Jend Sudirman Kav.3 Karet Tengsin,Jakarta 10220
<インドネシアの省官庁・公的機関・団体 一覧>
名称 URL 住所
外務省 https://www.kemlu.go.id/portal/id Jl. Taman Pejambon No. 6, Jakarta Pusat, DKI Jakarta 10110
駐日インドネシア大使館 https://www.kemlu.go.id/tokyo/id 5-2-9 Higashigotanda, Shinagawa Ward, Tokyo 141-0022
財務省 https://www.kemenkeu.go.id/ Jalan Dr. Wahidin Raya No. 1 Jakarta Pusat
財務省関税総局 https://www.beacukai.go.id/ Jl.Jenderal A Yani (By Pass) Rawamangun, Jakarta Timur – 13230
法務人権省 https://www.ministryoflawandhumanrights.org/ JL. Rasuna Said Kav 6-7 Kuningan,Jakarta Selatan, DKI Jakarta – 12940
エネルギー鉱物資源省 https://www.esdm.go.id/ Jl. Medan Merdeka Selatan No. 18,Jakarta Pusat 10110
投資省 https://bkpm.go.id/
https://bkpm-jpn.com/
(日本事務所)
Jl. Gatot Subroto No.44, Jakarta 12190
警察 https://polri.go.id/ Jl. Trunojoyo No.3, Jakarta Selatan Daerah Khusus Ibukota Jakarta 12110

大使館や領事館は現地の政治や経済などリアルな情報を把握できます。
また、日本貿易振興機構(ジェトロ)では、インドネシア進出を検討する日本企業に対して市場情報の提供やビジネスマッチング、展示会の開催などを実施しています。

「インドネシア進出前・進出後」に支援を受けられる公的機関・団体については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

4-2. 銀行や士業事務所

インドネシアビジネスを展開する際に支援を受けられる銀行や士業事務所は、以下が挙げられます。

法律・税務事務所では法律問題や契約関連のサポート、会社設立の手続きの支援などを行っており、複雑なインドネシアの法律、手続きを理解する際に便利です。

<現地の主な日系銀行>
日本名 現地支店名 URL 住所
みずほ銀行 PT. Bank Mizuho Indonesia https://www.mizuhobank.co.id/ ジャカルタ支店:Menara Astra, 53rd Floor, Jl. Jend. Sudirman Kav. 5-6, Jakarta 10220
三井住友銀行 PT. SBCS Indonesia https://sbcs.co.id/ ジャカルタ支店:Menara BTPN, 38th Floor, JI. Dr. Ide Anak Agung Gde Agung Kav. 5.5-5.6 Jakarta 12950
三菱UFJ銀行 MUFG Bank (Jakarta Branch) ジャカルタ支店:Trinity Tower, Lt. 6-9, Jl. H.R. Rasuna Said Kav. C22 Blok IIB Jakarta 12940
りそな銀行 PT.Bank Resona Perdania https://www.perdania.co.id/ ジャカルタ本店:
Jakarta Mori Tower
30th, 31st, and 32nd Floor
Jl. Jend. Sudirman Kav. 40-41
Bendungan Hilir, Tanah Abang, Jakarta Pusat 10210

<日本企業の支援に強い 法律・税務事務所>
名称 URL 住所
IHZA INTEGRATED CONSULTING https://ihzaconsulting.com/jp/ Prosperity Tower Lantai 5 Unit i District 8, Jl. Jend. Sudirman, RT.5/RW.3, Senayan, Kec. Kby. Baru, Kota Jakarta Selatan, Daerah Khusus Ibukota Jakarta 12190
Future Works Indonesia http://futureworks-inc.jp/ Menara Anugrah Lantai 15, Kantor Taman E.3.3 Jl. Mega Kuningan Lot 8.6-8.7 Jakarta Selatan 12950
AAP Consulting Indonesia https://apmjapan.co.id/ Wisma Nugra Santana 7th Floor Jl. Jendral Sudirman Kav 7-8 Jakarta 10220
Asahi Networks Indonesia https://www.asahinetworks.com/ Alamanda Tower 24 th Floor Unit A,B Jl.T.B. Simatupang Kav.23-24 CIlandak Barat Jakarta Selatan 12430
ATD Law in association with Mori Hamada & Matsumoto https://www.mhmjapan.com/ja/offices/jakarta2.html Treasury Tower 2F, SCBD, Lot 28 District 8,Jl. Jend. Sudirman Kav. 52-53, Senayan, Kebayoran Baru,Jakarta Selatan, Jakarta 12190
Frans & Setiawan in association with TMI Associates https://www.tmi.gr.jp/about/bases/indonesia-desk.html 16th Floor Jakarta Mori Tower,Jl. Jenderal Sudirman No.Kav 40-41, Jakarta
Phoenix Strategy Indonesia https://fnk-i.com/ Menara BTPN, 38th Floor, Jl Dr. Ide Anak Agung Gde Agung Kav 5.5 – 5.6 Mega Kuningan, Jakarta Selatan 12950

4-3. コンサルティング会社

インドネシアビジネスを展開する際に支援を受けられるコンサルティング会社は、以下が挙げられます。

コンサルティング会社は、市場リサーチやビジネスプランの策定、法務・税務のアドバイスなど企業の海外進出に関する包括的なコンサルティングサービスを提供しています。

とはいえ、コンサルティング会社と一口に言っても特徴や業務範囲はまちまちです。
会社選びの際は、これまでの実績や対応業務の範囲など多角的な視点を持って決めると良いでしょう。

<日本企業の支援に強い コンサルティング会社>
名称 URL 住所
IHZA INTEGRATED CONSULTING https://ihzaconsulting.com/jp/ Prosperity Tower Lantai 5 Unit i District 8, Jl. Jend. Sudirman, RT.5/RW.3, Senayan, Kec. Kby. Baru, Kota Jakarta Selatan, Daerah Khusus Ibukota Jakarta 12190
KPMG Indonesia https://kpmg.com/jp/ja/home/services/global-support/indonesia.html 35th Floor Jakarta Mori Tower, 40-41, Jl. Jend. Sudirman, Jakarta
Japan Asia Consultants https://jac-japanasiaconsultants.com/ Intiland Tower 12th Floor, Jl. Jend. Sudirman 32, Jakarta 10220
OS SELNAJAYA INDONESIA https://www.os-selnajaya.com/ Menara Astra, 55th Floor Jl. Jenderal Sudirman Kav 5-6 Jakarta 10220

「おすすめのコンサルティング会社」や「コンサルティング会社が実際に取り組んだ事例」については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


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